076:_ 200810【詩吟解説と岩下神繁先生のこと】
「上越教育大学英語教師:Ivan Brown先生のスピーチ」始め、昨年(2007年度) 大好評だった「トンボ玉の長
明子先生」、「Studio Zeroの東條麗子先生」、「帯結びの深石典子先生」の他に、今年は「平和を祈る為の戦争資料展の平田真義先生」、「詩吟独吟の岩下神繁先生」にご参加頂きます。当然、講師紹介を含めたProgramを作り、入場者の皆様に配布しなければなりません。
どの講師も、私の長年お付き合いさせて頂いている先生ですから、Programはすぐにできると思い込んでいました。
しかし、「岩下神繁先生の詩吟独吟紹介」だけは、一筋縄ではいかなかったのです。: “It was never an easy job.” 先ず、「詩吟という言葉そのもの」です。その国固有のものの場合、料理でも文化、習慣でも和英辞典だけでは英語で説明しようがありません。「おにぎり」をrice-ball、「餅」をrice-cake、「兜」をsamurai-helmet、「お神輿」をportable shrineなどと気楽に使っていますが、本物を初めて説明される外国人は目を丸くするのと似ています。
「詩吟」は、その調子で表現すれば、Recitation of Chinese Poemsの4語で済みますが、果たして日本人が馴染んでいる「♪ 鞭声粛粛、夜河を渡る~」(Excuse me!) の独特な調子を理解してもらえるでしょうか? 日本人の私自身、詩吟がいつ誕生したのか、構成Ruleは何なのかなど、作品の時代背景を如何に知らないかを思い知らされました。春日山町にお住まいの岩下先生宅へ伺い、直に詩の意味、背景、そして実際に謡って頂きました。95歳の岩下先生は、私の無知を叱ることなく、1時間以上に渡って直に解説なさり、而も私の為だけに歌って下さいました。
例えば、落語は、昨年の主賓、大妻女子大教授:Wright先生の前で、古典落語の「壷算:Tsubo-zan」を英語で披露しましたので、その奥の深さは素人の私でも凡そ見当がつきますが、…。
結局、次のように書きました。「漢詩や和歌に節をつけて歌うこと。江戸後期に起こり、明治以降は剣舞や琵琶歌と結びついて発達した。云々」:Shigin is to recite the Chinese poems or Waka, a 31-syllable Japanese poem in a singsong tone, etc.
「九月十三夜」、「不識庵、機山を撃つの図に題す」、「富士山観」の3題の解説は、高校時代の漢文の再学習から始めざるを得ませんでした。自分が分からないものを英語にはできないのです。
この放送時間ではとても解説し切れません。ご興味がおありのListener様、明日11日、LLシホヤ新井教室会場、3:00からの、M-PEC講座でお待ち申し上げます。
077: _ 200810【なぜ英語が話せないの?】
私の座右の銘は、:one of my mottos is “Practice makes perfect!”:「習うより慣れよ」です。英語に限らず、自分がマスターしたいことは、「試行錯誤しながら、素直に、根気良く練習:practiceを継続」することだと信じています。
しかし、practiceの前に、決して欠かせない大切なものがあると信じて、このM-PEC活動を広めています。それは何だとお思いでしょうか?… It is Decision! 「Practiceを続けるぞ!という、決断:Decision」ではないでしょうか?
大抵の日本人は、高卒まで、6年、大卒まで10年以上に渡って、英語の練習:Practiceを… 上教大のBrown先生のお言葉をお借りすれば、Making efforts:努力の連続だった筈です。 But, we often hear “Why can’t I speak English or communicate with foreigners, though I studied English so many years?”:「何年も一生懸命英語を勉強してきたというのに、なぜ英語を話せないんだろう?」- Many Japanese would say to themselves with a sigh. :溜息交じりに自問自答しながら日々が過ぎてゆく日本人の如何に多いことか!学校が悪い。学校や塾でよい先生に当たらなかったからだ。楽しく勉強させてくれなかったからだ… 自分の足元を見ないで、学校や塾のせいにする人がいないとも言えませんね。
私は、「単語、熟語、文法を中心とした英語学習は、何かを入れる『入れ物』:花瓶のような vessel を作っているだけだ」という単純な事実を自覚するところに答えがあると考えています。
本来の英語学習は、国語、算数、理科、社会…のような「学問」ではないということを言いたいのです。「英語という花瓶:vaseの中に、どんな花を活けようか、又は活けたいのか?」が、従来型英語学習に少しだけ早く先行していて欲しい、と言うのが私の考えです。
長 明子先生のようなトンボ玉を作りたい」、「岩下神繁先生のように詩吟を唸りたい!」、「Partyで食べた山井幹子さんのapple cakeを私も作ってみたい!」…という curiosity:「好奇心」が先ず必要です。その尊敬する相手が英米人だったら、自ずと英語の学習の仕方が変わって来ます。更に、自分だけの作品ができれば、知り合った外国人に話したくなります。目をキラキラ輝かせながら…その時のあなたは、単語力、文法力などの悩みは、二の次、三の次になっている筈です。
M-PEC入会にためらう多くの方に共通している言い訳は、「もう英語は忘れっちゃったから」、「英語を話せるようになってからでないと恥をかくから」…などと仰います。
Listenerの皆様はもうお分かりですね。花瓶のような入れ物としての英語をPracticeすることと平行して、もっと大切な「中身」:「英語と言う花瓶の中に、今日はこの花を活けたい!」…そうです!尊敬できる友人と沢山出合って、イキイキした自分を作ってゆくことこそ、M-PECが広めたい英語学習です。 Do you agree? Thanks a lot you’re joining Radio M-PEC Festival!
078: _ 200810【ブラウン先生からのアドバイス】
私が上越教育大学英語教師、Ivan Brown先生にお願いしたスピーチのタイトルは、”How to enjoy communication with foreigners in English?”:「英語で外国人とのコミュニケーションを楽しめるようになるコツ」でした。3つのコツと2つのKey Wordをお話下さいました。今日はM-PEC Festivalにご参加できなかった皆様に、Brown先生のお答えを一気にご紹介させて頂きます。
コツの一つ目:The 1st knackは、”Don’t
worry about making mistakes!”:「間違いを恐がらないこと! 」でした。 “Even Homer sometimes nods.” (ホメロスでさえ、居眠りすることがある)、「弘法も筆の誤り」…もっと勇気付けられる諺に、He who makes no mistakes, makes nothing. (誤りを犯さなければ、何も得られない) と言うくらい、私達に失敗はつき物のはずです。私達にとって英語は外国語なのですから、うまく通じなくて元々、うまく通じるように又頑張ろう!くらいの気持ちでいいのだと仰っておられました。
コツの二つ目:The 2nd knackは、 “English is a flexible language!”:「英語は柔軟な言語です。」でした。Brown先生のお国イギリス:The United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandには、かつて300以上の国王が君臨していましたから、地方によって、所変われば、発音も表現方法も変わっているそうです。
映画 “My Fair Lady”の中で、Rex Harrison 扮する Prof. Higgins が町を行く人々の発音を聞き分け、どの地方出身かを即座に当てるシーンがありますね。「自分の英語はどうも発音に癖があって話すのが恥ずかしい」とお思いの方にはほっとするお話でした。BBCやCNNのannouncerのような標準語を話せない人の方が圧倒的に多いのだから、と開き直りましょう。
M-PEC Festivalでの英語劇:「六地蔵:The Six Jizos」をご鑑賞後のSpeechでしたので、多分、配役の会員の発音を意識されておられたのかも知れません。帽子:hatを、掘っ立て小屋:hutと、又、hotelをホテルと、発音がおかしいと分かっていても、子供のようにすぐには治せないのが、私達大人の英語です。治るのを待っていたら、英語劇はいつまでたってもご披露できませんでした。私は練習の間、会員に、「無理に直さなくていいんですよ。安定していればOK! 間違いだと思わずに、自分だけの個性だと開き直って下さい。」と言い続けました。Brown先生の、”English is a flexible language.”は、「我が意を得たり!」でした。
三つ目のコツ:The 3rd knackは、 “English is a Global Language!” 「英語は世界的に通じる言葉です。」2番目のコツで述べられたように、発音・表現の違いには癖があっても、約70%の国々に通用するする言葉は、英語をおいて他にはありません。マスターするのが難しいと初めから匙(さじ)を投げないで、こんな有難い道具はない、と思いましょう!
「匙を投げる」は、英語ではspoonではなく、 “throw the towel” 、「お茶の子さいさい」は、 “a piece of cake”…のようにお国柄で表現が違っていて、すぐには何を言っているのか分からないことがあります。でも、話の流れやその場の空気で、Yes or No の違いが分かればいいのだ、くらいに思ったら良いのではないでしょうか?却って、投げる物がなぜspoonとtowelのように違うのか、話の種にしてしまうくらい自分の間違いを楽しみましょう。
さて、Brown先生は、以上の3 knacks に加えて、「英会話を楽しめるようになる2つのKey Word」をお話しして下さいました。
The 1st Key Wordは、”Effort”:「努力」です。今月15日から妙高市内でHome-StayをしたSloveniaの高校生を受け入れたご家庭の皆様、本当にお疲れ様でした。でも、楽しい思い出が沢山おできになったのではないでしょうか?「何とか話が通じたい!」の一心で懸命な努力をされたご家庭も多かったことと思います。この一生懸命:Being earnestをBrown先生は Effortと仰っておられました。
The 2nd Key Wordは、”Curiosity”:「好奇心」でした。「新しい素敵な友人が欲しい!」、「トンボ玉を作ってみたい!」、「あの料理を私も作ってみたい!」…のように、いつも好奇心が一杯のあなた!「英語を使えるようになりたい!」ときっと真剣に願うはずですね。Curiosityは、私達の人生をイキイキさせてくれる秘薬:a secret remedyだと思います。Mr. Brown, thank you very much for giving us your secret remedy to enjoy English communication!!!
079: _ 200811【色のはなし】
色、と言っても、love affairs:恋愛ではなく、色彩:colorsです。10月から新井小学校で、遠藤Yoshyがクラス担任と開始した「英語研究授業」のなかで、「日本的なモノを外国人に3つの英語で分かってもらおう」というactivity をしました。5年生のクラスでした。
「相撲」、「茶の湯」、御伽噺に出てくる「河童」…など、12枚の絵カードの中から、5,6人の生徒が1組になって5グループが1枚の絵カードを外国人アシスタント教師:ALTに3 wordsで、どの絵を説明しているのか分かってもらえるかを競い合いました。
私が予想した以上にcolorsが出て来たことに驚きました。例えば、「お花見」は、予想通り、cherry blossoms, drink sakeとでてきて、後は団子:dumplingかと思っていましたら、 “pink” でした。架空の生き物「河童」は、お皿:plate、男の子:boy、と
“green”でした。水:waterか、胡瓜:cucumberがでると思っていましたが。…又、「お神輿」は、運ぶ:carry、神社:shrineときましたので、後は掛け声:heave-ho! (よいしょ!) だろうと思いきや、茶色: “brown”でした。確かに「桜」はpink、絵本でイメージされている「河童」は大抵 greenですし、色とりどりの「お神輿」でも、総じて茶色:brownが多いですね。
小学生英語では、colorsの名前そのものを学ぶことを目的としないで、こんなactivityを通じて色の名前を染み込ませるのも良いなぁ、と再認識させられました。子供はcolorに敏感です。5歳児以下に、「1は何色?」って聞いてみて下さい。LL教室の幼児クラスに時々聞きますと、大抵、1はred、2はblue、3は、yellowと答えますよ。子供の世界は大人以上にカラフルなようです。
「江戸紫」という言葉があります。ご存知のListener様には笑われますが、私は最近まで、某社の「海苔の佃煮」の商標名:brand nameとばかり思っていました。実はれっきとしたcolor nameだったのです。江戸庶民の、やけっぱちな古川柳に、「鴨川がきれい、きれいというな、悔しきゃ紫染めてみろ」という一句があります。鴨川の水に晒(ひた)され鮮やかな色合いを出す「京友禅・友禅染」でも、只「紫」一色(ひといろ)だけは、玉川上水に晒す方がよりくっきり鮮やかな紫が浮かび上がったと言われています。江戸紫:Edo-violet は、当時の江戸庶民の大きな誇りだったのですね。
080: _ 200811【Slovenj Gradecの高校生のこと: Part-1】
約1ヶ月前の10月20日夜に、Home
Stay最後の日を迎えた10名のSloveniaの高校生との市民交流会がありました。私が所属する日本語教室:「あいうえおSchool」が中心になって、M-PECの会員とLL教室の高校生も英語の話し相手として参加させて頂きました。私は偶々交流会が始まる前の「手づくり料理」から最後まで、通訳と進行、司会の3役を一手に任されましたので、得がたい体験ができました。印象に残ったことを紹介させてください。
私は着物と雪駄履きの純日本風の服装でお迎えしました。 “Aiueo School staff”が用意したRecipeは「巻き寿司」: vinegared rice rolled with laverと「おにぎり」: rice balls でした。
時間が1時間と限られていましたので、具材: ingredientsは準備済みでした。Bowlに酢:vinegarには殺菌作用: bacteria killing actionがあるので、先ずは手を浸すことを説明すると、安心して指を浸してくれました。海苔に蒸かしたご飯を薄く延ばすところで、ほとんどの高校生は “Sticky!” (べたべたする~!) “Wow!” …と笑いながら慌て始めました。「もう一度、酢に指を浸してやり直してね」: “Try to dip you fingers again!”…10名の高校生のほとんどは、粘つくご飯: sticky riceを構うのは初体験のようでした。さすがにあいうえおSchool 会長:Oさんとペアを組んだ、引率の:Prof. Marjeta Ursic (マルエタ・ウルシチ)先生は主婦だけあって、「巻き寿司」を上手に素早く作りました。
「巻き寿司」の具剤:ingredientsは、日本人なら常識の、卵: egg、胡瓜: cucumber、そして干瓢(かんぴょう)…私の周りの5名に、”Do you know this called Kanpyou?”-首を横に振って、気味悪そうな顔をしていましたので、「夕顔の皮を剥(む)いて、干して漬けた物ですよ。“This is Yugao, dried bottle gourd. We peeled its skin and dried it then pickled it with soy source.” と説明すると、 “I see, Yes.”などと、安心した顔になりました。
「あいうえおSchool staff」のほとんどは英会話が不慣れでしたし、彼らにとっても私たち大人はとは初対面でしたから、緊張していたのでしょう。口数が少なかったのですが、何かを作ったり、食べたりする中で、心が通うものですね。
心が躍動している爽やかな青年達だなあ、と最初に感心したのは、「おにぎりづくり」の時でした。梅干などをご飯に入れて、ラップ: cellophaneで丸くすればいいだけですので、私は茶目っ気を出して(playing pranks) …、「好きな形にしてみてご覧!」:”Make your favorite shapes!” といった途端、丸いおにぎりをすぐに銘々が勝手な形にしてしまいました。一番多かったのが、ハート型:Heart shape、次が 星型:Star shape…四角:Square shapeの子もいました。「うん、これなら、次の市民交流パーティは賑やかになるぞ!」と確信しました。
081: _ 200812【Slovenj Gradecの高校生のこと: Part-2】
ちょうど1ヶ月前の(2008) 10月20日夜に、Home Stay最後の日を迎えた10名のSloveniaの高校生との市民交流会がありました。Host Families の高校生の皆さん、良い思い出を作ることができたことは、交流会の最後の記念写真直後、抱き合い、涙を流す子もいたことで、良く分かります。暗い事件が多い中で、皆さんのHospitalityは、一服の清涼剤: a good tonicでした。
E-mail等で盛んに文通をしておられることでしょうね。Carmenさんはスロベニア語での通訳、私は英語での全体司会・進行MC: Master of Ceremonyを務めました。司会進行であれ、通訳であれ、予定通りに行かないことが良くあるものです。私がはっとしたHappeningを皆さんと一緒に考えてみましょう。
予定通り、「琴の演奏」がありました。正確には「筝(そう)」ですが、「琴」は、sushi, tempura, judo、ukiyo-e のように、世界に知れ渡っていますので、the performance of the kotoにしました。第一、目の前にあるのですからplaying or performing …とくれば楽器だということは一目瞭然: quite obviousですね。Sloveniaの高校生の顔を見ていたら、全員が始めてみたような表情でしたので、「13本の弦の、横向きの日本的なハープ」: the 13 stringed horizontal Japanese harp と付け加えました。
予定では、渡辺雅梗(がきょう)先生の独奏と聞いていましたのに、「春の海」、「桜」を、橋本松央山先生が、尺八で伴奏することになりました。 “Mr. Hashimoto is playing Ms. Watanabe’s koto’s accompaniment on the SHAKU-HACHI”で済まそうと思って紹介し始めましたら、未だ口に咥えておらない状態でしたから、どれがどんな楽器なのか、不思議そうでした。私はすぐに穴の数を数えて、「5つの穴がある、竹でできた垂直に吹くフルート」: “5 holed vertical bamboo flute”と、橋本先生から、よく見えるように掲げてもらいながら説明しました。調べておかなくても、英語は「本質を説明すれば伝わる便利な言語」だと実感しました。
演奏が終わって、高校生達がよほど感心したのが嬉しかったのでしょう。渡辺先生が、突然、弦を支える手のひらサイズの「琴柱」を10名の高校生にプレゼントしたい、と言われました。これも、”the white tip supporting strings”と説明しましたが、実は「琴柱」という言葉は後で調べて分かったのです。先生は「これをプレゼントしたい」と仰っただけでしたから。:日本人の私が伝統楽器を如何に知らないか、冷や汗モノでした。
082: _ 200812【Slovenj Gradecの高校生のこと: Part-3】
去る(2008) 10月20日夜に、Home Stay最後の日を迎えた10名のSloveniaの高校生
との市民交流会がありました。Host Family の高校生の皆さん、良い思い出を作ることができて立派でした。
「あらい囃子保存会による、あらい囃子:太鼓演奏」:Japanese Dram performance of Arai Festival by “Arai-Bayashi Preservation Association”は、そのまま直訳で十分通じました。Slovenia高校生達はそのド迫力に、目を丸くしていました。: They were with their eyes wide open! 保存会の皆様も、演奏のし甲斐があったのでしょう。
演奏後に「枹(ばち)で太鼓を叩いてOK」の指示が出ました。目は口ほどに物を言い: “The eyes are as eloquent as the mouth.”ですね。 “You can beat the dram on the stage.”と言い終わらないうちに、枹:sticksを握って、構えてたではありませんか。こんな時は通訳不要ですね。興奮さめやらない状態で会食になりましたから、2名にinterviewしました。 “How did you feel?” – 女の子は、「物凄かった! 」: “Amazing!” 男の子は、「失神しそうだった」: “I was *stunned!”
*stun [stˈʌn]:(vt) 気絶させる
その男の子の隣におられたのが、濁川明男教育長: the superintendent of the Board of Educationで、私に、「遠藤さん、和太鼓は欅で出来ていて、豚の皮が張ってある、と通訳してくれませんか?」と言われました。即、 “The dram is made of Keyaki tree and covered with the skin of a pig.” と言ってから、内心どぎまぎしました。実は「欅」を説明しようとしましたが、日本特有の木をどう説明しようか一瞬困って、「窓から見えるよ!」: “Look outside the window!”といった途端、外はもう真っ暗でした。仕方ないので、「欅は樫や黄楊(つげ)の木のように固い木です。」: “Keyaki tree is very hard like oak or box trees.”と言わざるを得ませんでした。平成21年は、もっと普段から、日本的なモノ:Things Japaneseを徹底的に勉強しなくては、と良い刺激になりました。 (後記:欅:Zelkova [zélkəvə] )
083:_200901【イギリスって、英語?】
LL教室で、英語を一生懸命学んでくれている中学、高校生たちに、「イギリスの正式名称は?」、と聞いたところ、約半数が言えませんでした。大抵、英和辞典のカバー裏に掲載されているイギリスの地図に、書いてあります。正式名称は、「イギリス連合王国」:The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland、略して、The United Kingdom、もっと短くして、UKですね。アメリカ合衆国が ご存じ、The United States of America、略して、USA または、USとよく使うのに、正式名称は、長すぎる所為か、馴染みが薄いようです。
まして、「なぜ、UKをイギリスって言うの?」と尋ねると、中高生のほとんどがお手上げでした。「イギリス」は、Inglez というポルトガル語: Portugueseに由来しています。織田信長が活躍し始めた1550年ごろから日本で使われる外国語といえば、ポルトガル語が中心でした。この "Inglez" が「イングレズ」→「イギリス」として日本語の中に定着していったようです。
因みに、現在の「イギリス」は、England、Wales、Scotland、Northern Ireland からなっていますが、次のような歴史をたどっています。
1536年
England に
Wales が併合される。Wales was annexed by England in 1536.
1707年
England に
Scotland が併合されました。
1801年
England に
Ireland が併合されました。
1922年
England から
Ireland が独立しました。
1974年
プロテスタント: Protestantの多い
Northern Ireland が
England 統治下に戻りました。
この歴史を踏まえると、1550年ごろに日本語に入ってきたと思われるInglez「イギリス」という表現は、当時は現在の
Wales、
England を指していたと言えるでしょうね。
まとめますと、
Great Britain =(というのは) England、Wales、Scotland
United Kingdom =(というのは) Great Britain +
Northern Ireland
ということになります。歴史の長さと重みを感じますね。
084: _200901【アメリカ大統領選挙のしくみ】
(2009) 1月20日、第44代アメリカ大統領としてMr. Barack Hussein Obama, Jr. が就任しました。複雑なアメリカ大統領選挙の仕組み:The United Sates Presidential Electionを簡単に振り返ってみましょう。
大統領選挙は4年ごとに規則正しく行われ、日本のような解散総選挙: Snap General Electionというものは存在しません。選挙期間は2月に始まる予備選挙:Primary Electionと党集会から、11月の本選挙:General Electionまで実に9カ月も続きます。最終的に一般の有権者が投票するのは11月の第2火曜日に行われる本選挙ですが、それ以前に各党から選ばれた、つまり共和党:Republican Party、民主党:Democratic Partyの大統領候補者2人のうちどちらかを選びます。
では、2人の大統領候補者はどのようにして選ばれるのか? John Travolta主演の大統領選挙を描いた『Primary Colors』という映画があります。 この映画の舞台となるのがPrimary Election(予備選挙)です。予備選挙は各党の全国党大会に出席する州代表のDelegates(代議員)を選びます。つまり、11月の本選挙で民主党と共和党の候補者のうちどちらかを選ぶのは一般有権者ですが、その前の段階で各党を代表する候補者を選ぶのは代議員です。その代議員を選ぶのが予備選挙です。そこで一般有権者は、たとえばObama氏に次期大統領になってもらいたいと思えば、彼を支持している代議員を選ぶという間接的な方式になっています。
2月に50州の先陣を切ってNew Hampshireで予備選挙が行われ、いよいよ大統領選の幕が切って落とされます。そして3月上旬の火曜日には約20州の予備選挙が集中して行われます。この日で各党の最終候補者がほぼ確定してしまうため、決戦の日という意味で、Super Tuesdayと呼ばれています。全州の予備選挙や党集会が終わると、各党で全国党大会:National conventionが行われ、過半数を得た候補者が党代表の大統領候補となって、11月の一般有権者による選挙へと進むことができます。こうして50州の選挙人の合計538人中、過半数の270人以上を獲得した候補者が合衆国大統領となります。
ところで、今回の選挙運動は、史上最も長く、最も費用のかかった選挙となったようですね。立候補するための「エントリー費用」として、2007年末までに各候補者は1億ドル以上を集めたと言われています。時間と費用と、体力と…気の遠くなるような大統領選挙ですね。
085:_200902【伊呂波歌留多を英語で紹介しちゃおう!】
江戸時代の終わり頃に、京都で作られて阪神地方に広がり、ついで一部改変されて江戸に伝えられ、やがて全国に流行してゆきました。いろは48文字の1字ずつを頭につけて軽妙な比喩や教訓の文句が書いてあります。正月などの子供の遊びとして広く流行りました。遠藤Yoshyが新井小学校英語レッスンで紹介した方法で…Well, here is a quiz…クイズです。次の英文は、伊呂波カルタのどの読み札でしょうか?
A dog walks. A dog hits a stick.
A dog が出ましたので、すぐにお分かりでしたね。
「犬も歩けば棒に当たる」:A dog walks. A dog hits a stick.
小学校英語では、絵札の犬が棒に当たって痛そうな顔をしていますから、棒:a stickが、災い:a misfortuneを表していることがすぐに分かります。絵札がないと、2つの意味が出てきますね。
さて大人っぽい解釈にしましょう。…
一つは、「出しゃばると災いに遭(あ)う」と解釈できますね。「出しゃばる」は、obtrusive [əbtrúːsɪv]、「災いに遭う」は、meet with a misfortune …英語にすると…
When one is obtrusive, one meets with a misfortune.
もう一つは、反対に、「出歩くと予想外の幸いに遇(あ)う」とも解釈できます。私はこっちの解釈の方が好きです。皆さんは如何でしょう? …「出歩く」は、walk around、「思いもよらない良いこと」は、unexpected happiness …英語にすると…
When one walks around, one sometimes meets with unexpected happiness.
086: _200902【水金地火木土天海冥】
澄みきった、冬の夜の星はとてもきれいですね。北斗七星:The Big Dipper / The Plow[plάʊ]も直江兼続のお陰で、一層輝きを増して見えます。
日本語では太陽系の惑星: Planets in the solar systemの名前と順番を覚えるのに「水金地火木土天海冥」という「語呂合わせ」: “a play on words / a pun” があります。これにはアメリカ版もあります。もっとも、近年、冥王星:Plutoは惑星:planetではなく、準惑星:dwarf planetに分類、というのが一般的になっていますね。ここでは、冥王星:Plutoも含めさせて頂きます。
“My Very Earnest Mother Just Sent Us Nine Pickles.”
(私のまじめなお母さんが9つのピクルスを送ってくれた)がそれ。
太陽に近い順から、大文字部分を拾ってみましょう。
MyのM---Mercury(水星), VeryのV---Venus(金星), EarnestのE---Earth(地球),Motherの M---Mars(火星), JustのJ---Jupiter(木星), SentのS---Saturn(土星), UsのU---Uranus(天王星), NineのN---Neptune(海王星), PicklesのP---Pluto(冥王星)の順です。
他にも、円周率:πや、年代暗記等、英語にもきっとあると思います。これは面白い!と思う例が見つかりましたら、またご紹介させて下さいね。
087: _200902【伊呂波歌留多を英語で紹介しちゃおう!】
平安時代の末期の「百人一首」にならって考案されました。江戸時代の終わりに、京都で作られて阪神地方に広がり、ついで一部改変されて江戸に伝えられ、やがて全国に流行してゆきました。いろは48文字の1字ずつを頭につけて軽妙な比喩や教訓の文句が書いてあります。正月などの子供の遊びとして広く流行りました。遠藤Yoshyが新井小学校英語レッスンで紹介した方法で…Well, here is a quiz…クイズです。次の英文は、伊呂波カルタのどの読み札でしょうか?
We have a trouble. Then, look at this!
a trouble (問題)があって、それなら、「これを見ろ!」…ですので、「論より証拠」。
絵札では、侍:warriorが証拠の「呪いの藁人形:a curse straw doll」を見ろと、見得(みえ)を切っています。
さて大人っぽい解釈にしましょう。…
「論より証拠」、つまり「議論よりも証拠を出す方が、トラブルを解決する上で最上の策」と、私は解釈しました。「証拠」は、proof、「トラブル:難しい問題を解決する」は、solve a problem、「ごちゃごちゃ言うよりずっと良い」は、better than arguing …ですので、…
Presenting proof would be better than arguing when we must solve a problem.
ところで、似たような英語の諺に、「プディングの味は食べれば分かる。」とういのがあります。“Proof of the pudding is in the eating.”
似ている英語の諺があると、お国柄の比較ができて面白いですね。
088: _200902【なぜ津波は英語でもTsunami?】
「津波」という言葉は、通常の波とは異なって、沖合を航行する船舶の被害は少ないにもかかわらず、港を意味する、例えば、直江津の「津」では、大きな被害をもたらすことに由来しているそうです。
日本語がそのまま英語になった例はたくさんありますね。寿司、天婦羅、すき焼き、柔道、相撲、浮世絵、侍、etc…がそのまま英語になっている訳は、これらは、日本特有の文化ですので英語に翻訳不可能だからなのでしょう。
では、「津波」という災害は、決して日本だけのものではないのに、なぜそのまま英語なのでしょうか?
元々、英語では "tidal [tάɪdl] wave" という語が使われてきましたが、この語は本来、潮汐 (tide) による波を指し、地震による波にこの語を使うのは学問的にふさわしくないとされ、現在では tsunami が用いられています。それは、…
1946年、アリューシャン地震:Aleutian [əlúːʃən] Earthquakeでハワイ:Hawaiiに津波の大被害があった際に、日系移民が "tsunami" という語を用いたことから、ハワイでこの語が使われるようになり、被害を受けて設置された太平洋津波警報センターの名称も 1949年には Pacific Tsunami Warning Center:略して、PTWC とされたことから、アメリカ合衆国ではこの語が広く用いられるようになり、その後、1968年にアメリカの海洋学者ヴァン・ドーン(Van Dorn)が学術用語として使うことを提案して、国際語になりました。
更に、最近では、2004年12月に発生したスマトラ沖地震:The Sumatra Earthquakeによる津波が激甚な被害をもたらしたことが世界中に報道されたことを契機に各国の言語で、"tsunami"が、一般語になりました。
089:_200903【伊呂波歌留多を英語で紹介しちゃおう!】
江戸時代の終わり頃に、京都で作られて阪神地方に広がり、ついで一部改変されて江戸に伝えられ、やがて全国に流行してゆきました。いろは48文字の1字ずつを頭につけて軽妙な比喩や教訓の文句が書いてあります。正月などの子供の遊びとして広く流行りました。遠藤Yoshyが新井小学校英語レッスンで紹介した方法で…Well, here is a quiz…クイズです。次の英文は、伊呂波カルタのどの読み札でしょうか?
We see cherry blossoms. We want to eat dumplings.
Cherry blossoms が出ましたので、すぐにお分かりでしたね。「花より団子」。
桜や林檎のような「実のなる」花は、flowerではなく、blossomを使います。団子は日本独特なお菓子ですからdungoと言うべきなのですが、お饅頭の雰囲気が強いdumplingsを使いました。
さて大人っぽい解釈にしましょう。…
「俳句を捻(ひね)るために桜を見る」粋人もいらっしゃいますが、大抵は「酒と肴がなくては桜を見る気がしない」のが普通ですので、…英語にすると…
We wouldn’t be in the mood for enjoying cherry blossoms without sake, wine and tidbits.
「美味くて手軽な食べ物、お摘み」は、tidbits [tɪ́dbɪts] です。
今年の経塚山の桜はどうなるでしょうか?鳥の鷽(うそ):bullfinches[ˈbʊlfɪntʃ] の被害に遭わないことを祈ります。
090: _200903【春は眠たーい】
自分では認めたくないけれど、最近、鼻水:My nose is running. くしゃみ:sneezingが多くなりました。花粉症、pollen allergy [pάlən ˈælɚdʒi] かも知れません。寝る前に風邪薬を飲みます。その薬の副作用side-effectsの所為か、毎日毎日、眠たいです…。
ちなみに、なにかアレルギーがあるときは、I'm allergic [əlˈɚːdʒɪk] to ~でOK。卵アレルギーなら、I’m allergic to an egg. この応用で、アレルギーでなくても、「僕は読書嫌いだ。」は、I’m allergic to reading. 「勉強嫌いだ」は、I’m allergic to studying…. のように、嫌いなものなら何でも遠まわしに言えますから、使ってみては如何ですか? お酒嫌いは、I’m allergic to wine. …でも、本当のアレルギーなのかも知れません。話の内容で判断できます。女性嫌いは、I’m allergic to women. この言い方はユーモアになりそうですよ。
そうそう、本題の「眠たい」ですが、たいていは朝、「もう少し寝かせて~」でしょ? そんなときの一言。
Just a bit longer… No! Get up right now or you'll be late. 「ほんの少し長く…」が直訳。で、その後(あと)、「命令文+ or」って覚えてますか? 中学でやりましたよねえ。 「~しなさい、さもないと…」です。「ダメ。起きなさい、さもないと遅刻するよ」です。No! Get up right now or you'll be late…Sigh(ため息)。
英語にはwake upとget upがあるけど、wake up は布団の中で目を覚ましていてもいいので、毎朝の攻防、鬩(せめ)ぎ合い:conflict [kάnflɪkt] は絶対、get upですね。
091: _200903【伊呂波歌留多を英語で紹介しちゃおう!】
平安時代の末期の「百人一首」にならって考案されました。江戸時代の終わりに、京都で作られて阪神地方に広がり、ついで一部改変されて江戸に伝えられ、やがて全国に流行してゆきました。いろは48文字の1字ずつを頭につけて軽妙な比喩や教訓の文句が書いてあります。正月などの子供の遊びとして広く流行りました。遠藤Yoshyが新井小学校英語レッスンで紹介した方法で…Well, here is a quiz…クイズです。次の英文は、伊呂波カルタのどの読み札でしょうか?
I worked very much. I am tired. I have no money.
「たくさん働いて、疲れて、no money!」…ですので、「骨折り損のくたびれ儲け」。
一生懸命働くことをなぜ「骨折る」というのか、広辞苑で調べてみました。家具、器具そして私たちの体の中心となって支えてくれるのが「骨」。そこから、「本気になって動く、働く」が「骨を折る」となったようです。日本語にもなっているbackbone [bˈækbòʊn] に当たりますね。
さて大人っぽい解釈にしましょう。…
「骨を折っても草臥(くたび)れるだけで、効果が上がらない」…ですので、 a mere waste of labor:「全く仕事の無駄」を使って、…
My hard work ends up a mere waste of labor.
でも、「失敗は成功のもと」: Failure teaches success. もありますね。何事も、ものは考えようなのではないでしょうか? Every failure is a stepping stone to next success.「失敗は次の成功への踏み石」と考えたいと、私は思います。
<写真は、Apollo 13:奇跡的な帰還>