金福寺
「緑映え憂さもはるるか庵の主:みどりはえ、うさもはるるか、いほのぬし」をさむ
(関 脩先生の句:ヨッシー英訳)
Covered with all green, a master’s languor in this hermitage would have gone away.
関 脩先生 (1932:S.07.04.29~2011:H.23.10.19)の「ご自筆書簡」編集中!003
「日本語達人の世界ご紹介」ですので、この種のブログに限り、原則、全文の英訳は控えさせて頂きます。プライベートな記述部分は「中略」とさせて頂いています。
Since the main aim of this work is introducing “His World written in Beautiful Japanese”, let me almost omit Yoshy’s translations in principle. His private description is omitted, indicated as “an omission”.
Edition 003:「直筆便箋」:3 sheets of writing pad Sent to Yoshy on 2006.09.23
(前略)…単にスピーチコンテストの演壇での発表にのみとどまらず、「英語劇」を取り入れられたというお便りには陰ながら拍手をお送りせずにおられませんでした。こういう多方面に興味を沸かせ、ただに表向きの実用を謳うだけではなく、内面の心理、感情表現を伴う「劇」でいっそう、活き活きとした言語世界に工夫を凝らされたのは実にご賢明であったと存じます。ご成功をお祈り申し上げます。これは先生ご自身のことでもありますが、「落語」にはさらにそういう要素が籠められておりますから、…。)
(中略)…先日、小生は京都を訪ねてまいりました。…「一乗寺下り松」に足を向けました。次いで「詩仙堂」へと、これは計画の内、ふとその足が止まったのは、右手に「芭蕉、蕪村ゆかりの金福寺」との案内。…そして行き当たったのが2葉の写真、一つは蕪村らが、芭蕉を偲んで再建した「芭蕉庵」です。その袂(たもと)に、かの有名な「憂き我をさびしがらせよ閑古鳥」の句碑がありました。
(中略)方丈前の石庭から仰ぐ庵はまた、石庭の白と庵を取り囲む緑に映えて、何と明るく目に映ったことでしょうか。その途端小生は人生における二面の相反するものの、実は全く対立するものではなく、一つの調和に生きるのを悟り、もう一葉の句を得ました。「寂(憂)」と「穏(明)」と…。(後略)
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