001 _ 200704:【全然平気】:喜怒哀楽は会話の薬味
「全然平気。」:日本語の本来の文法では、「平気じゃない」の使い方が正解ですが、顔の表情で「平気だ」の意味になってしまいます。「グラス(glass)を取って。」と言われて「草(grass)」を取ることは先ずありません。コップ(kop:ポルトガル語)を渡すでしょうね。例をあげれば切りがありません。
日本人に限らず、多分、人類は『言葉の仕組み:文法』に頼るよりもずっと多く『会話の雰囲気:感情』を信用しています。つまり、感情がたっぷり詰まってさえいれば、「平気!」「コップ!」と叫ぶだけで簡単な会話は成立します。さらに「チチンプイプイ」「ズイズイズッコロバシ」「ちはやぶる」「ヤーレンソーラン」「ワンワン」「ニャンニャン」など、おまじない、枕詞、掛け声、鳴き声など、説明が難しい感情豊かな表現が多くあります。もちろん英語にもあります。
逆に言えば、正確な英文法での表現でも、発音が正確であっても、「喜怒哀楽の感情:emotions [ɪmóʊʃənz]」が入っていなければ「使える英語」にはならないことのほうが多いのではないでしょうか?実用英検3級以上の面接試験の評価や、大抵のスピーチコンテストにも、「態度:Attitude [ˈæṭɪt(j)ùːd]」が加わっている所以ですね。
002 _ 200704:【はくしょん!:Ahchoo!】
欧米では、「くしゃみ:sneezing」をした人に、 “God bless you!”と言う習慣があります。
これは知り合い同士に限ったことではなく、全く見知らぬ人でも、電車の中などでくしゃみをすれば言ってくれます。さて、それはどうしてでしょう? 次の3つのどれかな?
1) 誰かが噂をしているので、噂をされませんように、と言う意味で:As someone is talking gossip about me,…
2) 口から魂が飛び出してしまいませんように、と言う意味で:Because we’re afraid our souls were gone out of the mouth.
3) 風邪を引かないように、と元気付けるために:I hope you won’t catch a cold!
さて、いかがでしょうか?なぜ、”God bless you!” (神様があなたをお守り下さいますように!)
と言うのでしょう?
Did you decide your answer? :決まりました?
正解は、…The answer is…2) です。
欧米で昔から受け継がれてきた考えで、くしゃみをすると人間の中の魂がくしゃみと一緒に体の外に出てしまう、と恐れられたため、「あなたの魂が逃げ出しませんように」と神様のご加護(divine [dɪvάɪn] protection) を願ったのが始まりとか。
ちなみに、古代エジプト(ancient Egypt)で女王が口紅を塗る(put on lipstick / rouge [rúːʒ])ようになったのも、同じ考え方です。魂が口から逃げ出さないように、また、口から悪霊(an evil spirit) が入り込まないように、唇に魔よけ(talisman [tˈælɪsmən, ‐lɪz‐])の「赤」を塗っていたそうですよ。
欧米人の中には、日本では、くしゃみをしても誰も “God bless you!”と言ってくれないので寂しい、と言う人が多いようです。 Ahchoo! [ɑːtʃúː] (はくしょん!) と言ったら、 「中指と人差し指を重ねて:Crossed fingers」、 “God bless you!” と、言ってあげましょう。
003 _ 200704:【えっせだね!】(方言:“Esseda!” is a Dialect here.)
状況によって、標準語の「凄い」にも、「ぞっとするほど恐ろしい」と、「ビックリするくらいすばらしい」の、反対の意味がありますね。
「えっせな雪だったなあ」は、”We had much heavy snow.” “much heavy”の替わりに、「恐ろしい」: “terrible”, “dreadful”, “awful” … が。「この冬は、てーして降らんかった」: “We had less snow than usual this winter.”:「てーした雪を持たんかった」は、「普段より少ない雪を持った」で、“had less snow”… を。「えがった人も、えぐねかった人もいました」: “Some were lucky, some unlucky!”
「えっ、100点取ったの?えっせだ!」は、 “You got a full score, didn’t you? How wonderful!”- “wonderful” の替わりに、“fine”, “great”, “splendid”, “marvelous [mɑ́rvələs]”, “superb [sʊpˈɚːb]”, “fantastic”…などの誉め言葉も使えます。…
え?「どの形容詞を使えばええか?」って?…「そん時々の状況によるでや。」:That’s case by case.
004 _ 200704:【エリー:Erieとの実験】
I have a Sheltie Dog. Her name is Erie. 私は5歳になるシェルティという種類の犬を飼っています。Erieが好きな言葉の一つが、「おやつ?」です。
私が言うと、垂れている耳がピーンと立って、目が輝きます。教え子達にその話をしたら、好奇心のある生徒たちが、試しました。でも、反応する場合としない場合がありました。なぜでしょう?
反応しなかった子の発音は、「おやつ」と、「つ」の音が強く、高いのです。英語の音は「強弱」stress [strés]、日本語は「高低」pitch[pítʃ] が中心に成り立っています。みなさん、ご存知の、piano, violin, guitar… そのままカタカナ式に発音したら、 外国人にはなかなか通じませんね。単語一つマスターするにも、書く前に先ず「発音」しましょう。
005 _ 200704:【Take it easy!】
大人は子供に「がんばれ!」とよく言いますね。TVコマーシャルにも、「24時間戦えますか?」なんて耳にしました。もしかすると、日本人って「頑張る人が偉い!」と思いこんでいるのかも知れません。
英語はあんまり「がんばれ!」って言わない気がしています。…もちろん、英語にも「鉢巻き締めて、がんばる・場合」も、ありますよ。
「がんばって」を英訳すると、"Do your best!"(ベストをつくせ)、"Stick to it!"(ねばれ!)、"Hang in there!"(そこんとこで、ぶら下がっていろ。最後まであきらめるな)、 “Go for it!” (前進!) …たくさんあります。
でも、一番使うのは、なんと言っても"Take it
easy!"(ま、気楽にがんばろうよ)"Good luck!"あたりです。
怒ってカッカしてる人には、"Don't get so mad! Take it easy."
自信がなくてうろうろしてる人には、"Take it easy. You can do it."
がんばりすぎて、飛び回ってる人には、"Slow down. Take it easy."…
といった具合です。
私は、英語の学習って、英語を学んでいるのではなくて、「言葉の使い方」を学んでいるのだと思っています。入試や英検、学校の成績…に執着し過ぎて、手段と目標を勘違いしている子ども達には、"Take it easy!" と言ってあげましょう。
では、皆様、"Slow down, please."
006 _ 200704:【伊呂波歌留多を英語で紹介しちゃおう!】
平安時代末期の「百人一首」にならって考案されました。作者は明らかではありませんが、江戸時代末期に京都で作られて阪神地方に広がり、ついで一部改変されて江戸に伝えられ、やがて全国に流行してゆきました。いろは48文字の1字ずつを頭につけて軽妙な比喩や教訓の文句が書いてあります。正月などの子供の遊びとして広く流行りました。
ふだん良く耳にする読み札をご紹介致します。先ずは一番お馴染みの…
「い:犬も歩けば棒にあたる。」
絵札には、a disgusting dog:「嫌な顔をした犬」と、a happy dog:「嬉しそうな犬」の両方の絵をご覧になったことがあるのではないでしょうか?意味が全く反対ですね。
そのまま英語になおす:直訳すると、「注意深い犬でも、歩いていると棒に当る時がある」:Even a dog sometimes hits a stick when it walks.…しかし、これでは “a stick:棒”の意味するところがはっきりしません。そこで、意訳しちゃいましょう。
【でしゃばると災いにあう】の場合は、
When we are obtrusive, we meet with a misfortune.
「でしゃばる」
: “obtrusive”の替わりに「押しの強い」:“pushy”を使って、When we are pushy, we will meet with a misfortune. とも言えます。
さて、反対に…、
【出歩けば予想外の幸(嬉しいこと)にであう】の場合は、
When we walk around, we sometimes meet with unexpected happiness.
びっくり箱 “a jack-in-the-box” から何が出てくるか、 “a big surprise”の “a surprise”が、箱を開けた人にとって「嬉しいもの」なのか、「嫌なもの」なのか、…に、似た発想の諺は英語にもたくさんあります。 “A tall tree catches much wind.”:「高い木は大風を受ける」は、英米人にとっては、日本語の、「出る杭は打たれる」の「嫌なもの」の例ですが、坂本竜馬なら、そんな風など、楽しんでいた気がします。
何が出てきても、犬である私が変わるわけはありません。この札は、「一喜一憂しないで、歩き続けなさい」:“Don’t swing from joy to sorrow, but keep walking toward your dream!”と教えているのだと、私は思っています。
007 _ 200705:【会話が中断しないようにするには?】
実用英検もスピーチコンテストにも、「態度、表現力:*Attitude」の評価があります。 例えば、連休が終わって、ALTの先生や、外国からのお友達からこんな質問が来たとしましょう。"How
was your Golden Week?" (ゴールデンウイークはいかがでしたか?) -みなさんは、どんな答えを返しますか。
*attitude [ˈæṭɪt(j)ùːd]:態度、心構え
しばらく沈黙の後、 "I took a trip." (旅行しました.) と言って終わり。
"I enjoyed." (楽しみました.) と言って終わり。…など、早々に切り上げる、という答え方がよくあるパターンです。
でも、これでは、話はそこでストップしてしまいます。頭に汗をかきながら、「家族とディズニーランドに行った」:I took a trip to Disneyland with my family. 「家でゴロゴロしていた」:I was lying around at home. などと具体的に話すと、もっと話が弾み、交流が深まります。
"I enjoyed."と、まず切り出したなら、どんなことをしたかを、列挙していくだけでも、He or she is sure to be all eras! : 聞き耳を立ててくれますよ。"I went to Akakura Onsen." "I went there with my family." "There was snow." “I was surprised to see the snow.” “I touched it.” のように、順番にゆっくり言えば、落ち着いて説明できますね。
言い終わってから、「あなたはどうでしたか?」: “How about you?”のように、会話が *interactive になるようにしましょう。
*interactive [ìnṭɚˈæktɪv]:(a) 双方向の、相互の
日本人同士なら、「沈黙は金」:Speech is silver, silence is golden. もいいでしょうが、これから友達になろうとする外国人には、逆に、Silence is silver, speech is golden. と、私はそう考えますが、How do you think?
008 _ 200705:【ひさしぶりだね!】
勤勉な中高生のみなさんだと、多分、「長く会っていない」現在完了・継続用法の典型と考えて、…
“I haven’t seen you for many years.” … “Correct in your school!” 学校では正解です!…でも、これ、ちょっと変なんです。
“I haven’t seen you for many years.”と、単調に言うと、「君には何年も会ってないぞ」と、事実をぶっきらぼうに言ってる感じになっちゃいます。 でもね、Don’t worry! 陽気に明るく“for many years” の部分に気合を入れれば大丈夫。
では、気の利いた表現を覚えましょう!
Long time no see. / It’s a long time. :「本当にひさしぶり!」
How have you been? :「どうしていたの?」➡ 「ひさしぶり! 」「元気だった?」
ネイティブにとって、どう感じるかが分かるには、沢山の会話例を根気良く、楽しく積み重ねてゆくことです。「千里の道は一歩から」: “A journey of a thousand miles begins with a single step.” …ですね。
009 _ 200705:【眠れない時、なぜ羊を数えるのでしょう?】
sheep:
(羊) は、deer: (鹿), fish: (魚) 同様、単数と複数が同じ形です。このような「単複同形」の語ができたのは、*gregarious animals: (群れをなす)群居動物だから、という説があります。
*gregarious [grɪgé(ə)riəs]:(a) 群居(群生)する、社交的な
By the way, why they count sheep is … 、sheepの発音が寝息に似ているからという説があります。 “Ssh! - She said, putting her finger to her lips and silencing my chatter.” (彼女はシーッと唇に手を当てて、私のお喋りを止めた。) の “Ssh! = Sh! = Shh! [ʃː]”や、“Hush! [hˈʌʃ]”のように、静かにさせたり、したりする時の「シーッ」の音は、人間共通の onomatopoeia [ὰnəm`æṭəpíːə]: 「オノマトペ:擬音語」だと、私は思います。
ということは、日本語で羊を数えても余り意味がないかも?今度から、眠れない時は日本語ではなく英語で、「シ[ʃ]」の音に注意を払って…、one sheep, two sheep, three sheep… と数えてみましょう。効果があるかも知れませんよ。
010 _ 200705:【学習せざるを得ない環境では…】
私の教え子から聞いた話しです。彼女は、中国、北京大学在学中、わずか2年で、北京語も日本語と英語のように自由に操れるようになりました。She must have made a super effort: I must respect him…しかし、彼女は言いました。
「中国語のマスターは必死でした。日本人の悪口を言っている場合、中国人に成りすまさないと身の危険を感じましたから。」 Humm…聞いていて、…「必要は強力な武器」:Necessity is a powerful *weapon. 「必要は外国語習得の母」:Necessity is the mother of mastering a foreign language. …だと、つくづく感心しました。
*weapon [wép(ə)n]:武器、兵器
「中学高校と、6年も、いやそれ以上に英語を学習しているのにペラペラ英語を話せない! なぜ?」 “I’m learning English more than 6 years and over since my high school days. But I can’t speak it *fluently. Why, on earth?”- “You know, the reason is, needless to say, very clear, isn’t it?”
*fluently [flúəntli]:(ad) 流暢に、すらすらと
…そうです。「無理にでも、必要を作りましょう。」:Necessity should be made up by your own power! 私は東京へ出張の折、私には分不相応な高級ホテルで一泊します。夕食後、そこのバーで初めての外国人と楽しいおしゃべりすることが楽しみなのです。一人でグラスを傾けている男性外国人なら、大概親しくなれるものです。色んな意味で誤解されないように、かなり勇気が必要ですが…。
011 _ 200705:【じゃあ、またね!】
“Good bye!” …実はこれ、誤解される場合があるんです。
どこが変かって?…単調に強く言うと、「もう会わんぞ!」の捨て台詞になりかねません。 毎日何回も使うような “Good morning.”, “Good afternoon.” … は、その意味を伝えていると言うよりも、「言い方」で、相手の機嫌を確認すること:to check if she is in the mood of pink or blue…が多いのは、日本語も同じですね。
映画にはよく、「はい、さよなら」とぶっきらぼうに分かれる場面では、無感情に、“Good morning.”, “Good afternoon.” …で、 “That’s it.” 「これで話は終わりだ」と、別れる場面が出てきます。
でも、Don’t worry! 明るく陽気に、Good bye! Bye-bye! と笑顔で言えば「またね!」となりますから、ご安堵、ご安堵!気の利いた表現は…
See you! / See you around! 友達同士では、この方が自然ですよ。
012 _ 200705:【「おやっさん」(親父さん:おやじさん)】
日本語源辞典 (小学館) によると、「訓読みの『おやちち』が『おやじ』に変化したらしい。本来は父親を親しんで呼ぶ言葉だったが、自分の父親を他人に対して謙(へりくだ)って言うことが多い。」と、書いてあります。しかし、「さん」をつけて、「親父さん」ではなく、新井弁の「おやっさん」ともなると、「目上の男性」:elders and betters にならだれにでも親しみを込めて言えそうですね。
映画 “My Fair Lady”の一場面:Elizaの「おやっさん」:DoolittleがProfessor
Higgins に対して、「よう、親父、大事な話があってな」 “I come about a very serious matter, Governor!”と、by broad
accent: 「酷い訛りで」、governor: 「
(都道府県の) 知事」と言っていたのを思い出します。
こうなると、方言と言うより、場を和ませる話術:speaking skillの一つなのでしょうね。「よう、先生、大将!」のように。…新井弁の「おやっさん」は、親しみを作ってくれるすばらしいspeaking skillだと思います。
013 _ 200706:【えっせに声を出そう!】
当地の方言の一つに、「えっせだ!」がありますね。似たような英語の「すごい!」:“*Tremendous!”のように全く逆の意味にも使える不思議な言葉です。「えっせな雪だったなや」なら、「たくさんの」とすぐに分かりますが、「えっせな点数を取ったなぁ」だけでは、100点に近い得点だったのか、0点に近かったのかわかりません。が、話し手の表情:looksや言葉の勢い:tones of voiceで迷うことはありません。
*tremendous [trəméndəs]:(a) 途方もない、凄まじい、素敵な、恐ろしい
似ていて大きな違いがあることを「月と鼈(すっぽん)」とよく言いますが、元来は「月と緋盆(ひぼん)」:the moon vs. a red round tray:月と赤いお盆:色は似ていても大変な違いです。…たわいもないことを「河童の屁(かっぱのへ)」は、…「木っ端の火(こっぱのひ)」: “chips and fire”:木の屑(くず)は燃やしてもすぐに消えて燠(おき)が残らないくらい、他愛もないことから、「木っ端の火」…。「月と鼈(すっぽん)」「河童の屁(かっぱのへ)」が、間違いだとしても、発音してみると使い始めた昔の人達の洒落っ気 (しゃれっけ):*joke or *jestを感じます。
*joke [dʒóʊk]:冗談、笑い話 *jest [dʒést]:冗談、洒落(しゃれ)
私たちは多分、相手の「言葉」を理屈で分かろうとするよりも、声の勢い:stress、調子:toneやそこに込められた「感情」:emotionを真っ先に読み取ろうとしているのではないでしょうか?Emotion:「感情」の上に、実体のない:約束事としての「言葉」を乗っけていることが多いとしたら、英語学習も、発音練習の中では感情を無視することはできませんね。
私のレッスンでは、Hints of Listeningとして、「絵」:picturesをよく使います。狼から逃げる嘘つき少年の絵を見せて…「狼が出た!助けて!」は、“A wolf has just appeared! Please help me!” なんてのんびりしていられませんから、“Wolf! Wolf! Help!” で充分ですね。ただし、少年は「えっせな」言い方をした方が助かりそうです。“Wolf! Wolf! Help!”
014 _ 200706:【サラリーマンって英語でどう言うの】
先日、ご質問をいただきました。
「I'm a
businessman.って知り合いの外国人に言ったら、『そうじゃないよ』って言われたんだけど、どうして? サラリーマンは、ビスネスマンじゃないの?」
…はい、実は違うんです。
businessmanとは「実業家」だとか、「社長 CEO (chief executive officer)」、最低でもexecutive [ɪgzékjʊṭɪv] (重役)クラスの人を指します。ちなみに business girlは、売春婦:hookerですので、ご用心!-ですから、自分で自分のことを I'm a businessman. と言ってしまうと、自分が経営者でしかも順風満帆、とっても順調にいってる、という感じでしょうか。
「会社員」とか「部課長」クラスの方でしたら、ま、office workerあたりを使っておいた方が無難です。もちろん、「サラリーマン:salary man 」は和製英語:Japanized Englishですので、念のため。
本当はバイト(これもJapanized Englishですねえ):アルバイト禁止なんだけど、こっそりやってるんだ、という場合は、「moonlighting:月明かり」を使ってください。夜間にこっそり、仕事をしてるという意味です。ですから、もちろん side business も和製英語:Japanized English。businessっていう単語はかなり大掛かりな仕事を意味しますので、片手間にやってます、という意味にはならないんです。ちょっとした「副業」程度なら、part-time jobが一般的です。別に時給をもらってなくても使える表現です。私もここではsalaryはもらっていませんので、part-timeを副詞的に使って、I’m working part-time here at 新井有線放送協会:AUK!
015 _ 200706:【伊呂波歌留多を英語で紹介しちゃおう!】
「ろ:論より証拠。」
水戸黄門の決り文句:the cliché [kliːʃéɪ], the hackneyed [hˈæknid]
expression: 「これが目に入らぬか?」:Can’t you see this? の台詞を思い出します。ところで、「印籠」は携帯の薬箱なので、英語では a pillbox… hum…「おにぎり」がrice-ball, 「兜」が helmet… のように英語にするとどうも迫力がありません。でも、「お神輿」を a portable shrine (持ち運べる神社)と英訳した先人には、頭が下がります。言葉の背景には文化や伝統がありますから実物か写真を見せた方が「論より証拠」ですね。
さて、「論より証拠」は、「議論よりも証拠を出すほうが解決する上で最上の策」ということですから、「証拠」:proof, 「議論」:arguing [ɑ́rɡjuɪŋ] の二つがkey words です。そこで、… Presenting proof would be better than arguing when we must solve a problem. としてはどうでしょうか?英語の諺の:Proof of the pudding is in the eating.:「プディングの味の良し悪しは食べればわかる」が「論より証拠」に当たると思います。
016 _ 200706:【もっと自分のことを言う元気を!】
「実用英語技能検定試験」、いわゆる「英検」は、2004年度から二次試験(面接)で、【もっと「自分のこと」、「自分の考え・意見」を表現するスピ-キングテストへ】のconcept
のもとに改訂されました。
例えば「3級面接」を例に取ると、30語くらいの英文passageの音読:readingに続いて、内容理解:*comprehensionができているかどうかの質問応答。…ここまでは従来と同じです。
*comprehension [kὰmprɪhénʃən]:理解力、包容力
その直後、passage下にくっついている「カラーのイラスト」を見て…例えば、郵便配達のヤギさん:Mailman, Goatがウサギに手紙を渡そうとする絵があるとしましょう。…面接の先生:Examinerは… “Who is waiting for a letter?” – 受験者:Examineeは、“The rabbit is.” (手紙を待っているのは誰でしょう?-ウサギです。) となり、続いて、 “What is the postman going to say to the rabbit?” (郵便配達のおじさんは、ウサギに何て言うでしょう?) と聞かれれば …「はい、どうぞ」: “Here it is.” / “This is for you.”等となりますね。受験者はとっさに、手紙を渡すヤギさん:Mailman, Goatの気持ちにならなければなりません。…
さらに、「日常生活の身近な話題」に応答ががらりと変化します。例えば、“What do you want for your birthday?” (誕生日に何が欲しいですか?)
そして最後に、「受験者自身の好みや予定」を問うペア・クエスチョン:“Do you like to write a letter?” (手紙を書くことは好きですか?) - “Yes.” と答えれば、 “How often do you usually do?” (何回くらい書きますか?) - “Twice a month.” (月に2回くらいです) / “No.” と答えれば、“Tell me more.” (もっと言ってください) と要求されます。 - “I like cell-phone better.” (手紙より、携帯電話の方が好きです)…等と答えることになります。文法的な小さな間違いはほとんど減点されません。
3級からの面接試験では、「あなた自身の考え、意見」をすぐに言える力が求められています。文字通り「使える英語」学習への良い刺激になっています。Tell what you think much more, shall we? 暗記も大切ですが、「もっともっと『自分のこと・考え・意見』を言えるようになれば、欧米人に気後れしないようになると、私はいつも自分自身に言い聞かせています。
017 _ 200706:【風邪ひいちゃいました~!】
久々に風邪をひきました。こんなに調子が悪くなるもんでしたっけ?「風邪は万病の元」:A cold may lead to all kinds of diseases. と、何をするにも億劫になります。で、この体調を英語にしてみましょうね。
I have a cold.(風邪、ひいています。)
I have a sore throat.(のどがいた~い。)
I don't have a fever.(熱はないです。)
でも時々、I
have a slight fever.(微熱があります。)で、一番ひどいのが、…
I have a runny nose! (鼻水ずるずる)a runny nose:「走っている鼻」…この英語、理屈抜きで納得しちゃいますね。
I have a headache. (頭痛~!)
My nose is stuffed.(鼻づまりだ~!)う~。
ま、こんな症状です。典型的な風邪ですね。
こんなことを言っている人がいたら、
Take care!(お大事に)I hope you’ll get well soon.(早くよくなるといいね)くらいの言葉をかけてあげてください。
私は、今のところまだ、Still I feel listless [ˈlɪstləs].(だる~い)ですが、I'm getting better.(だいぶよくなってる)と思ってます。では、皆様、Take care!
018 _ 200706:【動物が英語で鳴くと】
かつて教室のALTとして働いてくださったDianaさんに、ミツバチが主人公の絵本を見せた時のことです。かわいいミツバチ:a cute honeybeeの絵にローマ字で “Bun-bun” と書いてありました。 “Mr. Endo, what is Bun-bun?” と何のことかさっぱりわからない様子でした。 “Diana, what does a bee say?” – “It says buzz-buzz.” …と教え合いました。犬はbow-wow、ネコはmeow-meow…は、ご存知のリスナーが多いと思います。
さて、これから発音する「身近な動物の鳴き声、又はそれを表す音」…10個問題を出しますよ。8個以上言い当てられたら、合格です。いくつ当てられるでしょう?指を折って数えてみましょう:Count on your fingers, please. リピートして頂いた後で答えを言いますよ。Are you ready?
#1: squeak-squeak… a mouse:「ネズミ」でした。
#2: moo-moo… a cow:「牛」でした。
#3: hiss-s-s-s… a snake:「蛇」…これは鳴き声ではありませんね。Next…
#4: gobble-gobble… a turkey:「七面鳥」
#5: croak-croak… a frog:「蛙」
#6: hee-haw… a donkey:「驢馬:ロバ」…hee-haw は「ワハッハ」のような馬鹿笑いの音でも使います。
#7: baa-baa… a sheep:「羊」又は「山羊」
#8: neigh-neigh… a horse:「馬」
#9: oink-oink… a pig:「豚」
#10: quack-quack… a duck:「家鴨:アヒル」
さあ、いくつ分かりました?
ところで、河馬(かば)は?What does a hippo say? わたしは気になって、外国の友人先生に聞いたことがあります。全員の答えは… No sound! 声がないんだそうです。動物園で働いておられる欧米人なら、きっと何かある気がしますが…リスナーさん、ご存知でしたら教えて下さい!…
019 _ 200707:【気合だ、気合だ!】:以心伝心:Non-verbal Communication
…と聞くと、アニマル浜口さんの大声と独特なアクションを思い出す方が多いでしょうね。
心理学者マレービアン(Albert Mehrabian) によると、相手から受け取る情報は、なんと「言語から」は7%しかなく、「表情から」が55%、「声の調子から」が38%だそうです。Non-Verbal Communication (言葉を使わないコミュニケーション)を無視できないということになりますね。
LLスピーチコンテストのような、情報が一方通行であり、同じ課題文であっても、Speaker’s Speech (話し手のスピーチ)によって、Listener (聞いている側) の印象が異なってきます。Contestなので順位をつけざるを得ませんが、教室で毎年審査をしている私は、イキイキした態度と立派な発音なら、全員にGold Medalをあげたい!と、いつも思います。
ただし、「言語」7%は、「たかが7%、されど…」:Just a mere 7%, however… ではないでしょうか?英語、日本語に限らず、どの言語でも「その仕組み」を無視しては、犬やねこのようなペットとおしゃべりするレベル以上にはならないと思います。
今私は英語の一コマ漫画を見ています。そこには4匹の蛙が雨の中で、蓮の葉: lotus leavesを傘の代わりにさしています。よく見ると、1匹だけが、人間が使う傘: an umbrella をさして、長靴:bootsまではいていて、得意げにすましています。隣の蛙が、怒った顔で…吹き出しには “What’s this?”と書いてあります。当然、「これは何ですか?」と聞いているのではありませんから、発音は… 「気合を込めて」…“What’s this?” となりますね。気弱に “What’s this?” では、 “You don’t know, do you? This is an umbrella. Ha!” とやり返されてしまいますね。
文法は勿論大切です!そこに気合を注入しましょう!気合だ!きあいだ! Let’s show some spirit! Yell!!!
020 _ 200707:【英語で、あいづち】
欧米人は私たちに比べてあまり相槌は打たずに、目をしっかり見ますね。照れくさくて、慣れるまでは、目をそらしたくなります。…でも、英語で話をしていて、Yes. / I see. / Really? 以外のあいづち…うてていらっしゃいますか?
結構難しいんですよね、これが。できればYes. / I see. はあんまり使わない方がベターです。特にYes. は危険ですゾー。
一番使うのは、Uh-huh(アハ)でしょうね。
そのほかにも意見を言わずにただ、「そう?」「そうなんだ」くらいのノリであいづちをうつなら、こんな簡単なのがありますよ。
相手が I was…
(bra-bra…)と言ったら、You were?
I am …と言ったら、You are?
I went…と言ったら、You did?
I have…と言ったら、You do?
I don't …と言ったら、You don't?
一般動詞は何が来ようが同じです。あとは助動詞を同じように使うだけ。簡単でしょ?ただし、使いすぎると「あいつは冷たい」:He’s a cold man. と言われかねないので、合間にもっと心のこもったあいづちも入れてください。例えば…
(すごい!) Wow!
(うそ?
本当?) No kidding.
(まさか) No way!
(だといいね) I hope so.
(そうじゃないといいね) I hope not.
(そんなことないでしょう) I doubt it.
(そうなの?) Is that so?
…あたりでいかがでしょうか?
021 _ 200707:【なぞなぞ:Riddles】
さて、「なぞなぞ」三連発。Three riddles are here! 頭の体操にもなりますから、トライしてみてください。
No. 1 What flowers are there on our faces? (顔の中にある花の名前はなんでしょう?…薔薇でも百合でもありません。)… Hintは、顔の中には2つの唇がありますよね。…Yes, you’ve got it! The answer is … 「二つの唇」:(two lips) で、“Tulips.” でした。この調子で音をヒントに解いてみてください。
No. 2 かなり知的ななぞなぞです。Why is 6 afraid of 7? (6が7を恐がるのはなあぜ?) …Hintは、7, 8, 9
(なな、はち、きゅう) を英語で正しく発音してみましょう!…The answer is …Because … 7 ate 9. そう、(7が9を食べてしまったから)でした。
No. 3 Which salad do honeymoon couples eat? (新婚旅行のカップルが食べるサラダはなあに?)… The answer is …
「レタス・サラダ」です。これも発音がポイント!「二人だけにさせて」:Let us alone. …Lettuce [léṭəs]!
でした。
022 _ 200707:【状況を観察しよう!】
私はレッスンで、よく英語の絵本を紹介します。ある一場面のことでした。男の子が朝食に、丼:a bowlにmilkがたっぷり入ったシリアル:cerealを食べていたところに a soccer ball が飛んできて、… his cereal bowl の中にピシャ!:“Splash!” 丼はひっくり返り、男の子の顔にmilkとcerealが“Splash!”
その男の子の台詞として、 “I’m telling!” 「ぼくは伝えているところだ! 」と書いてあったのです。“I’m telling!”…恥ずかしいことですが実は私は、一瞬、この “I’m telling!”が分からなかったのです。発音し、生徒にも訳を考えさせて…(Ha, ha… これは先生の特権です!)…じーっとこの絵を観察すること約10秒…「お母さんに言いつけてやる! 」だと、ひらめいて、生徒に I was telling!- 間違ったことを教えられませんので、念のため、レッスン終了までにそっとLEXIS (旺文社) という辞書で確認しました。講師になりたての頃ではお手上げだったろうと思います。
Picture documents have much more information than letter ones. パソコンでも、画像は文書よりかなり多くのメモリーを必要としますね。英語学習の素材として、情報量が豊富な漫画や絵本、そして感情豊富な歌やMother GooseのようなChantsもお勧めです。今回は状況を元に、I’m telling: 「言いつけてやる!」発見のお話でした。
023 _ 200707:【英会話をつなげるコツ!】
先回は「あいづち」のお話をさせて頂きました。今回は、もっと突っ込んでみます。
さて、タイトルはいいけど本当につなげる (つながる) のか、最終的にはみなさまにお任せです…(Ha, ha…無責任でI’m sorry!)
しかし、まずはトライ!ポイントは5つです。
#1「話したい話題、つなげられそうな話題を選ぶこと」
#2「Did you … ? か Do you … ?などで、その話題に乗ってくるか尋ねること」
#3「乗ってくれば、What did you… ?などでその関連の『何か』を聞き出すこと」
#4「How was … ?などで感想を引っ張り出すこと」
#5「もっと繰り返したければ、もう一度Did you… ? / What...? でつなげること」
たとえば…
私が、 “Hi Tim. Do you like to watch baseball games on TV?” (ティム、TVで野球見るの好き?)-
するとTimが、 “Yes. I'm a big fan of the Red-Socks.” (うん、レッドソックスの大ファンなんだ)そこで私が、 “Oh are you? Did you watch the game between the Red-Socks and Yankees last night?” (あぁそうなんですか。昨晩の試合、見ました?) 【…are you? / Did you…? がポイントです。】Timが、 “Of course! It was a great game.” (勿論だよ。いい試合だったなぁ) 私が、 “I missed it. How was Matsuzaka's pitching?” (私は見なかったんだけど、松坂はどうでした?) 【How was…? がポイントです。】Timが、 “He did a great job. It's fantastic!” (よく投げてたよ。大したもんだよ) 私が、 “Oh did he? I'm looking forward to watching the next game.” (そうだったんですか。次の試合はぜひ見なくっちゃ) Timが、“I can’t wait, either.” (僕もだよ)
…と話がつながってゆきますね。
もうひとつのコツは合いの手、相槌です。
Really? (本当?) ばっかり使わないこと。疑り深い性格だと思われますよ。又、 I see. (分かりました。そうですか) ばっかりでも、「俺のこと、よく聞いてないな」とがっかりさせる場合がありますね。
いちばん簡単なのが、I am ときたら、 Are you? か You are? I watched ときたらYou did? か Did you? のパターン。
それと、Can't
be.(まさか)/ Incredible! (信じられない!) / Right.(そうですね)/ I
agree.(同意見です)/ Is that so? (そうなんですか?)
/ How come? (どうして?)/ I am impressed.(驚いたな)などをタイミングよくちりばめましょうね。「言うは易く、行うは難し」:From words to deeds is a great distance. (言葉から行動までは大きな距離がある)…ですけど、失敗をこわがらず会話がつながってゆくことを楽しみましょう!
024 _ 200707:【おまんた】
糸魚川の「おまんた祭り」やお米の銘柄に「おまんた米」など、越後発全国に発信し続けている代表的な方言…かな?…「おまえさま」、「おまえさん」から「おまん」に変化して、そこに「た」がついて複数に。「ら」がついて、「おまんら」になると、時々TVでも耳にします。「おまんら、許さんゼヨ」と言っていたのは、土佐の坂本竜馬だったかな?
英語の標準語では、ご存知の you しかありません。Are you Mr. Sato, aren’t you? (佐藤様でいらっしゃいますか?) / You are kidding! (からかうなよ!) You are kidding! …のように、発音に味付けするだけです。
勿論、日本語でも味付けします。更にびっくりするくらいたくさんのyouがありますね。時代がかると、「お主は」「貴殿は」「貴公は」…最近は、「お宅は」…更に、目の前の人に向かって、「先生は」「社長は」「大将!」とくると、余程日本通の欧米人でないと面食らいます。I wasn’t a soldier! (俺は戦争になんぞ行ってないぞ!) なんて、ね。
TPOと、発声する人の性格にもよりますが、例えば、演説調で「男子諸君!」は、You boys! Dr. Clark の “Boys be *ambitious!” は、有名ですね。/ 悪さをしている子に向かって「そこのおまえ達!」は、You over there! /「そこのおまんた!」となると、親しみが感じられて、Hey, you over there! と Hi! や、Hey!… をつけたくなります。
*ambitious [æmbíʃəs]:(a) 大望(野心)のある
絆と親しみを増してくれる新井の方言を、言葉のお化粧として、誇りを持って使い続けてゆきたいものです。
025 _ 200708:【大人の英語劇、実現しそうです!】 - 「猿とひきの寄合田」ご紹介:その1 -
ご存知の方が多くなりましたが、私は「使える英語をもっと身近に!」をテーマに、Myoko Powerful English Club:略してM-PEC
(エムペック)という、社会人を中心に、だれでも入会できるサークルを主宰しています。9月24日に研修センターで年1回のM-PEC Festival を開催させて頂きます。その中で、英語劇:「猿とひきの寄合田」:English Drama, “Monkey & *Toad’s Field” を上演します。新井地区南部に伝わる昔話:a folktale です。猿:Monkey & 蟇蛙(ひきがえる):Toadが一緒に畑を耕して「粟餅」:*millet cake を作って食べようという storyです。見てのお楽しみ!:Just wait until you see it! …ですが、一部ご紹介いたしましょう。
*toad [tóʊd]:蟇蛙 (ひきがえる) *millet [mílɪt]:粟 (あわ)・稗 (ひえ)・黍 (きび) の穀類
ずるい猿:the dishonest Monkeyが正直な蟇蛙(ひきがえる):the honest Toadに、「ひきどの、ひきどの、おりゃいいこと考えた。一緒に枯野(かんの)を耕やさんかい?」:”Mr. Toad, Mr. Toad, I’ve got a good idea. Shall we cultivate a desolate field on a mountain?”…俗語:slungや方言:dialectの雰囲気をそのまま英語にはできません。「どの」は、Mr. 「おりゃ」は、I です。今はあまり使わない「枯野(かんの)」は、「荒れ果てた野原」ですので、a desolate field としました。発音の仕方とGestureが売り物の英語劇だからこそ、the dishonest Monkey の表現を出せると思います。
Toad が約束どおり、翌朝Monkeyを誘いに行くと、畑仕事をサボりたいMonkeyは、…「ああ、痛い。腹痛い。」:”Ouch, ouch! I have a stomachache! Ouch!”と言い訳します。…「頭が痛い」は、have a headache, 「歯が痛い」は、have a toothache, 「腰痛」は、have a backache…のように言います。「お人よしの蟇蛙」:the good natured Toadは、一人で山へ行き、「さあて、どこらへんがええかな?よし、ここが日当たりもええし、木や草もはえていねえ」: “Now, which place should I cultivate?… Done! This place has a lot of sunshine and has no trees and little grass.”…木は1本もないでしょうから、no trees ですが、草は、「はえていねえ」とはいえ、土の上ですから、no grassではなく、「限りなく0に近い草」:little grass としました。「よし、ここに決めた!」は、Done! にしました。 “do”の過去分詞で、何かが終わった時に使える便利な表現です。仕事でも食事でも何でも、「終わった?-うん、終わったよ。」は、 “Are you done?” – “Yes, I’m done.”…
さて、猿と蟇蛙は、粟餅 millet cakeを食べることができるでしょうか?
026 _ 200708:【笑えない話】
英語を話す場合、正確な発音が大切なことはいうまでもありません。私の恩師(高本捨三郎先生)から伺った実話をご紹介致します。
日本のある有能なビジネスマン:Office worker-(A)がアポイントを取り付けて、ある米人ビジネスマン:American office worker-(B)の来社を自室で待ちながら、ドアを開けたまま事務をとっていました。そこに、その米人が訪ねてきて、廊下からドアの内側をノックしました。(A): COme in. (B)は、たじろいで部屋に入ってきません。何が起こったのでしょう?
実は、(A)がCome In. と言うべきところを、in の語尾の n を“-ng”と言い誤り、その上、come を強く言ったのです。そのため、米人(B)は、日本人(A)が“Coming!” (私がそちらへ参ります)と聞き取ったのです。
また、玩具輸出商の日本人が、電話で取った注文で、cars [kɑ́rz] (自動車)と cards [kɑ́rdz] (トランプ)を取り違えて出荷し、後で大きな損失を被った実話も聞きました。発音に自信のある人でも、日々精進していないと「なくて七癖」(Everyone has his/her faults.)の諺どおり、どこかにムラが出やすいものですね。私自身も含め、私の生徒やM-PEC Membersには、家でも、我流の発音にならないように、毎日5分以上は発声学習を続けるように薦めています。Power comes from continuing. 継続は力なり、ですね。
027 _ 200708:【次のうち英語が語源:derivationのものは?】
次のうち英語が語源のものはどれでしょう?-
A: ランドセル、B: ミシン、C: アカペラ、D: (雨の日に着る)カッパ
↓
↓
The answer is … Bのミシンでした。
「ミシン」の語源は英語のmachine。英語では、sewing machineといいます。Aの「ランドセル」の語源は、オランダ語:Dutchのransel:背負い鞄、英語ではschoolbagです。Cの「アカペラ」はイタリア語:Italianで*a cappella:「教会風の、伴奏のない」の意味です。英語のchapel:「礼拝堂」に当たりますが、「アカペラで歌う」と言う時には、英語でもsing a cappellaといいます。Dの「カッパ」の語源は、ポルトガル人:Portuguese が着ていたcapaというマント:英語では古い英語でmantle、今日の英語で「袖なしの外套」はcloak…ああ、ややこし~い!How complicated this is!
*a cappella [ὰːkəpélə]:(a), (ad) アカペラ、無伴奏(で)
さらにややこしいのは、イギリス:UKや、オーストラリア:Australiaでは、「お茶を飲もう!」をLet’s have a cuppa.…決して「カッパをはおろう」ではありません! “cup of tea”を省略してcuppaということがあります。勿論slungの一種ですから、無理に覚える必要はありません。Let’s have a cuppa. と言われて分からなかったら、Pardon?と聞き返しましょう。Let’s have a cup of tea.と言い直してくれる筈です。Phew… I want to have a cup of tea.
028 _ 200708:【大人の英語劇、実現しそうです!】 - 「猿とひきの寄合田」ご紹介:その2 -
ご存知の方が多くなりましたが、私は「使える英語をもっと身近に!」をテーマに、Myoko Powerful English Club:略してM-PECという、社会人を中心に、だれでも入会できるサークルを主宰しています。
9月24日に研修センターで年1回のM-PEC Festival を開催させて頂きます。その中で、英語劇:「猿とひきの寄合田」:English Drama, “Monkey & Toad’s Field” を上演します。前回に引き続き、一部ご紹介いたしましょう。
粟の芽が大きくなるにつれて、草も目立つようになり、草刈:weedingをしなくてはなりません。正直な蟇蛙 (ひきがえる):the honest Toadは、ずるい猿:the dishonest Monkeyに、「猿どの、猿どの、明日は二人で草取りに行こめか?」: “Mr. Monkey, Mr. Monkey, we have to weed; let’s go weeding tomorrow, OK?”…「~しに行こめか?」は、 “Let’s go + 動詞ing!”… Let’s go shopping! Let’s go swimming! 「草取りに行こめか?」と念を押していますから、普通は “Let’s go weeding, shall we?”なのですが、この場合は、 “, shall we?” の代わりに “OK?” としました。
「猿どの、猿どの、おりゃ今日、粟の出来を見てきたが、でっけぇほうが垂れてたでえ。」は、 “Mr. Monkey, Mr. Monkey, I saw our millet today and the ears of millet are already drooping.” …「ほう」は、稲や麦等の「穂」の方言です。英語では、「耳」:ears を使います。「垂れてたでえ」の表現には、「もう既に」:alreadyの意味が含まれていますので、The eras of millet are already drooping. と、現在進行形にしました。
「ひきどの、ひきどの、どうだろう、ひとつ山の上の、見晴らしのいいところへ行って餅をつかねえかい?」は、 “Mr. Toad, Mr. Toad, why don’t we make the millet cake on the mountain?” We should make it at a place with a fine view.” 自分の提案を相手になんとか承知させたい時… Why don’t we …? をよく使います。 助動詞 “should”は、「…すべきだ」と覚える方が多いようですが、そうではなく、「水が下へ流れるように…当然…だ」の感じを表します。
029 _ 200708:【上司の横暴に一言いいたい! ときにどうぞ】
残暑が厳しいとカッカすることがありますね。We’re apt to get angry over small things in a lingering heat of
summer, aren’t we? あ~、また、あいつは無理ばっかり言って。:He’s asking too much of me again! できないって言ってるだろ。できるわけないじゃん。:Who can do this? このスケジュールでこの金額で、この人数でさ、どうやったらできるっていうのさ!:In this schedule, such a small amount, member , etc. …How on earth could we do this? Ha?
と、お怒りの皆様。とりあえず、 Relax! Cool down!
でも、やっぱり一言いわなきゃ気がすまない。I know, I know…how you feel. / I know what you’re saying. 発音練習しながら発散してみましょうか?
「あ~ばかばかしい!!」と言いたければ、Ridiculous [rɪdíkjʊləs] !
「無理だって」Impossible!
「そうだ、そうだ!その通り」と、皮肉っぽく… Right-on!
「もういい加減にしろ」Enough's enough!!
「それって最低」That sucks [sˈʌk] ! …あたりでいかがでしょう?
たまには本音を曝け出すのも良いものですよ。:It’s sometimes good, I think, that you give away your true feeling.
030 _ 200708:【伊呂波歌留多を英語で紹介しちゃおう!】
「に:憎まれっ子世にはばかる。」
江戸の昔にも、そんな子供が沢山いたんでしょうね。「憚(はばか)る」には、大きく二つの意味がありますね。一つは「差し障りとして敬遠する」…toilet を遠まわしに「憚り (はばかり)」と言うのはここからのようです。もう一つの意味の「幅をきかす、のさばる」が、この読み札に当たりますので、「憎まれっ子、世にのさばる」をそのまま英語に直訳すれば、英語圏の人に紹介できますね。
A *naughty boy has a better chance of *rising in the world.:「言うことをきかないやんちゃな子は出世する。」….Listenerの皆様は、もうお分かりでしょうね。そう、直訳というのは、味気ないものですね。…日本語でもしかり。「言うことをきかないやんちゃな子は出世する。」と言うよりも、「憎まれっ子世にはばかる。」の方が耳に馴染みますね。Sounds comfortable, doesn’t it?
*naughty [nˈɔːṭi]:腕白な、淫らな *rise [rάɪz]:上る、上る、立身出世する
同じく、英語にも耳に馴染む、これに似た諺があります。
Ill weeds grow fast. (悪い雑草は成長が速い。) …家庭菜園や畑をなさっておられる皆様は実感なさいますね。
031: _ 200709【大人の英語劇、実現しそうです!】 - 「猿とひきの寄合田」ご紹介:その3:最終回 -
ご存知の方が多くなりましたが、私は「使える英語をもっと身近に!」をテーマに、Myoko Powerful English Club:略してM-PECという、社会人を中心に、だれでも入会できるサークルを主宰しています。
9月24日に研修センターで年1回のM-PEC Festival を開催します。その中で、英語劇:「猿とひきの寄合田」:English Drama, “Monkey & Toad’s Field” を上演します。新井地区南部に伝わる昔話:a folktale です。お仕事の合間を縫って練習を重ねることと、伝承文化の一つを英語で表現することに意義があると自負しています。I’m a little bit worried if it will be held well or not, though. …猿:Monkey & 蟇蛙(ひきがえる):Toadが一緒に畑を耕して「粟餅」:millet cake を作って食べようという storyです。M-PEC Membersが練習中です。
Just wait until you see it! :見てのお楽しみ!…ですが、先回に引き続き、一部ご紹介いたしましょう。This is the final introduction.:最後の紹介です。
ずるい猿:the dishonest Monkeyが正直な蟇蛙:the honest Toadに、「どうだい、ひきどの、いよいよ食べられるが、ここでただ食べても面白くねえ、ひとつ、臼を坂へほん投げて、それに早く飛びついたもんが、餅を食うことにしねえか?」と提案します。 “We’ve done it, Mr. Toad. … We can eat it at last, but just eating is boring. How about throwing this mortar on this slope? The one who can jump it first can eat it. Do you agree?”…「どうだい、いよいよ食べられるが」の部分は、「何かが終わった」のdone を混ぜて、 “We’ve done it. We can eat it at last.”としました。「ほん投げて」は、俗語slungですので、発声と身振りで味付けします。 “How about throwing?”の How about…? は、「…はどうだい?」の便利な表現です。食事中に質問攻めに合ったら、 “How about you?”:「キミはどう思うの? 」のように言えば、時間稼ぎができてゆっくり食べられますね。
032: _ 200709【まだビールの季節かな?】
まだ夏の名残が感じられるこの頃です。:We can still feel traces of summer, can’t we? ビールがおいしい季節ですよねぇ。
Drinking Beer にまつわる表現をいくつかご紹介しま~す。
「仕事帰りにビールを一杯どお?」:How about a beer after work?
「ビールが飲みたいね。」:I feel like a beer.
「ビールが飲みた~い」:I could need a beer.
「とりあえずビール2杯ね。」:Two beers for starters.
「このビールよく冷えてるね。」This beer is well chilled.
「このビール気が抜けてるよ。」This beer is flat.
「お酒はつきあい程度です。」I'm a social drinker.
「ほろ酔い気分です。」I feel a little tipsy.
これが飲みすぎになって、「彼べろんべろんに酔っ払ってるよ。」:He's *loaded.となり、次の日に「二日酔いだ~。」:I have a *hangover.となるんですね。
何事も程ほどに。:Everything should be in moderation. お気をつけて!:Take care!
*load [lóʊd]:(vt) 積め込む <be loaded:ひどく酔う> *hangover [háng・òver]:二日酔い、残存物
<雑学:Trivia> を、お一つどうぞ。…
USA, Wisconsin State, Lake Michigan湖畔にあるMilwaukeeは、ご存知、ビールの町ですね。Schlitz Brewing CompanyもMilwaukeeに本社があります。Schlitzの、ビールの缶には、「Milwaukeeを有名にしたビール」: “The Beer That Made Milwaukee Famous” と印刷されています。私は今、その缶ビールの写真を見ながらお話しています。
この言葉は1895年から使われているそうです。:日本では、明治28年、日清戦争終結の年に当たります。この“The Beer That Made Milwaukee Famous”のcatch-phrase が特にMilwaukeeでは定着している所為か、変形されて使われることが良くあるようです。例えば、1983年6月20日のNewsweekには、「だが、ここ当分の間は、MilwaukeeはAlan Cranston議員を有名にした町、ということになる。」の下りがあります。:But for the moment, Milwaukee is the town that made Alan Cranston famous. “Yoshy’s English Corner That Made 新井有線放送協会 Famous” となったら、いいなあ!(笑)
033: _ 200709【向かい側ってどう言うの?】
Lady-Aは散歩中にちょっとすてきなレストランを見つけました。早速、暇そうなアメリカ人boyfriendのB君に誘いの電話をしました。B君は、「いいよ、それどこにあるの?」: “OK. Where is the restaurant?”…Lady-Aは、「公園の向かい側にあるよ。」と言います。…さて、これを英語でなんと言ったでしょうか?…次の4つから選んでください。「公園の向かい側にあるよ。」は、…
A: It’s front of the park.
B: It’s across from the park.
C: It’s behind the park.
D: It’s around the corner from the park.
↓
↓
The answer is…B: It’s across from the park. でした。「~の向かいに」は、across from… を使います。Aは、in がつけば、in front of…で、「~の前に」。この場合、レストランは公園の向かいではなく、「前に」あることになります。Cのbehind…は、逆で「~の後ろに」。Dのaround the corner from…は、「~の角を曲がったところに」。新井有線放送協会is across from Arai Station.
034: _ 200709 【Sounds… & Looks…】
よく使う、使い勝手の良い表現があります。
Sounds ×××.
Looks ×××….Sound… Looks… は、とっても便利。
「おもしろそう!」に聞こえるならSounds fun! 「おいしそう!」に見えるなら
Looks delicious! 簡単でしょ。
良い:good、面白い:interesting、完璧な:perfect、愉快な:fun、かっこいい:cool、すてきな:nice、わくわくする:exciting, etc. うしろにいろいろ入れて使えますよ。
「露天風呂の川原の湯へ行かないか?」:How about going to an outdoor onsen, Kawara-no-Yu? 「うん、いいね。でも、どこにあるんだい?」:Sounds all right. But where is it?
「来年も英語劇をやろうよ!」:Let’s present an English Drama next year, too! 「面白そうだね。やろう!」:Sounds a plan. Let’s do it!
うしろに、主語+動詞が入っている塊(かたまり):「節 (せつ)」を繋げられるようになれば、あなたの会話は…Sounds cool !
「柏崎はほとんど正常に戻ったみたいだね。」:Sounds like Kashiwazaki is almost back to normal.
「あなたにとって良い機会みたいだし、やってみなさいよ。」:Sound like this is a good opportunity for you. So I want you to go for it.
「ぼくは、この会社ではもはや過去の人間のようだ。」:Looks like I’m history in my company. - 「とんでもない!キミはまだ若々しいよ!頑張って!」:No way! Looks young. Go for it!
そろそろ今回のBrush-Up Cornerは、この辺でお開きのようです。:Looks like it’s that time. Bye!
035: _ 200709 【かんもす】 (新井地区の方言)
…これだけ単独に聞こえた皆様は、「マンモス:mammothの一種か?」と一瞬思われたかも…「かんもす」は「掻き混ぜる」の方言ですね。すぐに思いつく英語はmixですが、「かんもす」には「そっと」をつけない限り、その場での割と激しい動きがありますので、mix up又はstir あたりの動詞が近いと思います。
「コーヒーをかんもす」は、 “stir [stˈɚː] the coffee” 「とろみがつくまでジャムをかんもす」は、 “stir jam until thickened” ちなみに、star[stάɚ]は「空の星」。発音が似ていますのでご注意を。
泡だて器:whiskなどで「強く掻き混ぜて泡立てる」は、beat :「打つ」の動詞を使います。「ジャムをクリーム状になるまでかんもす」は、 “beat jam until smooth and creamy” 「泡だて器」:whiskを動詞としても使います。
さて、…お茶は「点(た)てる」、琴は「弾じる」、お香は「聞く」…のように、日本語も沢山の動詞で使い分けていますね。茶の湯の席で、「茶、かんもしてくんねぇ」などと言ったら、たちまち顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまいます。ほのぼのとした方言も、TPOが大切ですね。